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エアコン冷房で湿度が上がる!?湿度が下がらない理由と対策を解説
お忙しい方のために答えを先にお伝えしますね。
湿度は2種類ある
本題の前に、10秒だけ前提知識をお話しさせてください!湿度には2種類あります。
そして重要なことがこちら。
温度が下がっても絶対湿度が変わらなければ相対湿度は上昇します
加湿器をたいているわけでもないに、不思議と相対湿度は上昇することがあるのです。
相対湿度が上がる3パターンの要因
エアコンを冷房運転したとき、相対湿度が上がる場合があります。
我が家を例に説明していきましょう!
①エアコンで冷房運転を開始した直後
冷房運転開始した直後には、温度が一気に下がります。
温度が下がっても絶対湿度は下がりにくいので、相対湿度が上がる可能性があります。
しかし、絶対湿度(空気中の水分量)が増えたわけではありませんし、相対湿度の一時上昇も5~10分程度で解消されますので気にする必要はありません。
ちなみに我が家で冷房をONにした時の温度、相対湿度、絶対湿度はこちらです。
温度と絶対湿度は大きく低下していますが、相対湿度はわずかに低下しただけ。その後21:00前には相対湿度だけが運転開始時と同じ50%付近まで上昇しています。
じゃあこれが問題かと言えば・・・
問題なし!相対湿度が50~60%であれば充分快適です!
②室温が冷房設定温度に到達した後
室温が冷房設定温度に到達すると、エアコンは冷房の力を弱めて設定室温を維持する運転モードに入ります。
冷房の力を弱めるということは除湿もできなくなるということ。
その結果、相対湿度と絶対湿度両方とも上昇してしまいます。
実際に我が家の温度、相対湿度、絶対湿度を見てみると・・・・
冷房開始から数時間は湿度50%付近をキープしますが、温度が設定温度26℃付近で安定すると相対湿度は上昇して60%~70%から下がらなくなりました。
相対湿度が60%を超えると少し不快に感じます。
室温を下げずに相対湿度を下げることは非常に難しいことが分かります。
③エアコンを停止した後
エアコンで除湿した水分はしばらく室内機に滞在し、ホースを伝って室外に排出されます。
夏場室外機付近が濡れている正体はこの除湿水です。
つまり除湿運転中には室内機内部は大量に水分を含んだ状態なのですが、運転を停止後もしばらくは水分が残ったまま。これがじわじわと蒸発して室内に放出されてしまいます。
実際我が家でも・・・
運転停止後には、温度湿度ともに急上昇しています。
温度上昇より湿度上昇スピードの方が速い!!!
エアコンを停止するのはお出かけの時だと思うので問題はないかもしれませんが、覚えておいた方がよいでしょう。
厄介なのは②
ここまで湿度が上がる3パターンをご紹介しましたが、このうち厄介なのが②です。
冷房運転をはじめてから設定温度に到達するまでは湿度も下がるのですが、温度を維持しながら湿度も維持することは難しいんです。
なぜこのようなことが起こるのか、次に解説します
エアコンは湿度を下げるのが苦手
この章は少しマニアック(というか科学的)なお話になります。
対策を知りたい方はこの章は飛ばしてください(笑)。
露点温度とは
除湿を語るうえで重要なキーワードは室内の『露点温度』。
エアコンの風が室内の露点温度以下なら除湿できます。
例えば・・・
室温27℃湿度65%の時の露点温度は約19℃。エアコンの風が19℃以下であれば除湿できていますし、19℃以上なら除湿できていません。
このように露点温度は必ず室温よりも低くなります。
室温と露点温度
さて、では温度と湿度と露点温度の関係を見てみましょう。
- 温度を下げるためにはエアコンの風が室温以下であればOK
- 湿度を下げるためにはエアコンの風が露点温度以下であればOK
- 温度より露点温度の方が低い
つまり、温度の方が簡単に下がり湿度は下がりにくい。これは科学的にどうしようもないことなのです。
その結果として・・・・
- 温度を下げたくない→除湿できない
- 除湿したい→温度まで下がって寒い
こんなジレンマに陥らざるを得ません
冷房時の湿度上昇の対策方法
ここからは温度を下げずに湿度を下げるためのコツを3つご説明します。
- 風量「弱」で冷房
- 除湿運転
- 再熱除湿運転
ただし、部屋の温湿度環境は家の断熱性能や在室人数などによっても大きく変動するものなので、『これをすれば必ず湿度がさがる!』わけではないことをあらかじめご了承ください。
①風量弱で冷房
風量を落とせば、たとえエアコンの風が冷たくとも室温低下は緩やかになります。
冷房を長時間しても寒くならないので除湿もしやすくなるということ。
とはいうものの冷房運転であることには変わりないので、よほど暑い日でない限りいずれは温度が設定温度に到達することでしょう。こうなるとエアコンはパワーを緩めて運転するため温度が低下しなくなりますが、湿度は上昇しはじめます。
ここからさらに設定温度を下げない限りは湿度は上昇していく一方です。
実はさっきの我が家の室温データも弱冷房の時のものでした。
②除湿運転
通常エアコンの除湿は、実は①の風量弱の冷房と全く同じです。
そのため湿度を下げることも可能ですが、同時に室温まで下がるという冷房と同じ欠点があります。
③再熱除湿運転(一部の中グレード以上の機種のみ)
一部の中グレード以上の機種には、再熱除湿運転という機能があります。
- ダイキン
- 日立
- 三菱電機
- 富士通
この4社の中~高級モデルに搭載されています。
その名の通り一度エアコン内部で冷やして除湿し、冷たい空気をもう一度温めてから室内に放出する方式の除湿。
温度を全く下げずに湿度だけを下げることが可能です。
これ以上室温を下げたくないけど湿度が高くてジメジメする・・・場合には最適です!
こちらは我が家で再熱除湿運転をした時の室温データです。
なんと運転開始から温度はほぼ一定の26℃をキープしつつ、湿度だけが70%から50%前半まで下がっています。驚異の除湿力!再熱除湿恐るべし・・・!
我が家はもはや再熱除湿なしでは考えられません!
デメリットは、一部の機種にしか搭載されていないということと、通常の除湿よりも電気代が高いということ。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
≫プロが選ぶエアコンのおすすめ機能!再熱除湿を徹底解説!
さいごに
高温多湿の日本の夏においては湿度対策が必須です。湿度を下げる有効な手段を3つお伝えしました。
- 風量「弱」で冷房
- 除湿運転
- 再熱除湿運転
この中でもっとも有効な手段は③再熱除湿運転。ジメジメの夏もさっと快適な室内で生活できるので、皆さんにも是非おすすめしたい方法です。
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